漢字の学習方法

効率のよい漢字学習

漢字を学習する方法はいくつかあります。簡単な字から複雑な字へ進む方法、似ている漢字をグループにして学習する方法、テーマ別に漢字を分類し学習する方法などです。

しかし、漢字は数が多く、複雑です。さらに、一つの漢字が複数の読み方を持っています。このことが漢字の学習を難しいものにしています。 一般的な日本語の文章では常用漢字を基準にした約2000字が使われますが、ほとんどの漢字が2つ以上の読み方を持っていて、4つ以上の読み方を持っている漢字も多数あります。 従って、2000の字とそれぞれが持つ全ての読み方を覚えようとすると多くの労力と時間が必要となり、これは現実問題、多くの学習者にとっては非常に困難なことです。

しかし、幸いなことに、複数ある読み方のすべてが重要なわけではありません。頻繁に使われる読み方もあれば、ほとんど使われないものもあります。漢字を効率よく学習するためには、重要な漢字とそうでない漢字、重要な読み方とそうでない読み方を区別し、重要なものに焦点を当てて学習していく必要があります。

1110字で90%をカバー

一般的な日本語の文書では常用漢字を基準にした約2000字が使われます。その中で頻繁に使用されるのは約1000字です。

コスコムは2136の常用漢字、非常用漢字の中でも一般的に使用される164文字、および1つの記号(々)、合計2301字を選択し、これらを4つのレベルに分類しました。

レベル1555字非常によく使われる
レベル2555字
(計1,110字)
よく使われる
レベル3890字
(計2,001字)
上記2レベルに比べたら、使用頻度は少ない
レベル4300字
(合計2,301字)
常用漢字だが地名・人名などでのみ使用される字
及び一般的には使用されない字
非常用漢字だが一般的に使用される字

私たちの調査によれば、レベル1の漢字は、新聞や雑誌の一般的な記事、あるいは一般的なビジネス文書に出てくる漢字の60%から70%をカバーします。
さらにレベル2の555字を加えた1110字では、一般的な文書のほぼ90%以上の漢字をカバーします。
効率よく漢字を学習するためにはこの1110の漢字を優先的に学習するのがもっとも効率的です。

ユニークで効率的な漢字教材 - 2001.Kanji.Odyssey

コスコムはこれらの研究を基に、ユニークな漢字教材 2001.Kanji.Odyssey を開発しました。
初版は2003年に出版され、2001字が収録されています。
2010年には常用漢字の改訂を機に300字を追加、現在の 2001.Kanji.Odyssey には2136の常用漢字を含む合計2301字が収録されています。

重要な読み方に焦点を当てる

メインセクション&リファレンスセクション

一つの漢字は複数の読み方を持っていますが、すべての読み方が頻繁に使われるわけではありません。よく使われる読み方はほとんどの漢字で1つか2つです。
そこで、私たちはそれぞれの字の読み方を重要な読み方と重要ではない読み方に分類しました。

2001.Kanji.Odyssey ではそれぞれの漢字をメインセクションとリファレンスセクションに分けて紹介しています。

メインセクションではそれぞれの漢字の重要な読み方および重要な熟語を提示、重要な熟語には全て音声が付属しています。
さらにそれらの熟語を使った5000以上の例文が用意されています。レベル1、レベル2の漢字には書き順も用意されています。

また、リファレンスセクションにはその漢字のほぼすべての常用漢字の読み方、および数多くの熟語を収録しました。
この方法により、学習者はメインセクションで重要な読み方と熟語に焦点を当てて学習することが可能になります。

また、レファレンスセクションは辞書的な使い方で利用できます。

2001.Kanji.Odyssey の内容;

  メインセクション リファレンスセクション
レベル1

重要な読み

重要な熟語(音声付き)

3000以上の例文(音声・英訳付き)

書き順

ほぼ全ての常用漢字の読みと
多くの熟語
レベル2
レベル3

重要な読み

重要な熟語(音声付き)

2000以上の例文(語彙リスト付き)

ほぼ全ての常用漢字の読みと
多くの熟語
レベル4

重要な読み

重要な熟語(音声付き)

ほぼ全ての常用漢字の読みと
多くの熟語

メインセクション (レベル1、レベル2)

重要な読みと熟語(音声付き)

書き順 - レベル1

書き順 - レベル2

リファレンスセクション

ほぼ全ての常用漢字の読みと多くの熟語が収録されています。

繰り返し目にする

5000以上の例文

レベル1、レベル2の3000以上の例文に音声が付属

漢字は複雑で似ている字が多いので、一度学習してもすぐに忘れたり、他の字と混同してしまいます。一度学習した字を忘れないためには繰り返し目にすることが重要です。

そのために、この教材では5000以上の例文を用意しました。
特に、レベル1・2の例文はレベル1・2の漢字のみで書かれており、既習の漢字が繰り返し出てくるように工夫されています。

また、例文中のすべての漢字を文の下にリストアップ、それぞれに漢字番号を付けると共にその漢字へのリンクも用意しました。

Ruby Type 1Ruby Type 2

Example

This year, we have had big damage due to heavy rain and heavy snow.

すべての例文には2つのタイプのルビが付いています。タイプ1はすべての漢字にルビが付いています。タイプ2は既習の漢字にはルビがなく、未習の漢字にのみルビが付いてます。

さらに、例文の漢字はすべて下にリストアップされ、漢字番号が付属しています。2001.Kanji.Odyssey ではその漢字をクリックするとその漢字のリファレンスセクションが表示されます。
従って、例文中に忘れてしまった漢字があっても、すぐに確認することができます。

ルビ

漢字の上にその漢字の読み方をひらがなで表記したものを「ルビ」または「ふりがな」と呼びます。

効果的なグループ分け

2001.Kanji.Odyssey の大きな特徴として、グループ分けがあります。
レベル1とレベル2の漢字1110字は5字で一つのグループになっています。 それぞれのグループは形が似ている字、意味的に関連がある字、それぞれが組み合わさって熟語を形成する字など、様々な要素を組み合わせ、効果的な手法で分類されています。

グループ8

big, large inside,
medium
small few many

グループ24

eat drink meal buy watch

グループ25

say, tell talk, speak read language English

上記の例のように、それぞれのグループは意味的にも、形的にも関連性がある漢字で分類されています。
このグループ単位で学習を進めれば、一つ一つの字を関連付けて記憶できますので、極めて効果的です。

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